ジャカルタ出張中の週末は、MTGの合間時間を使って起業家仲間たちとパデル(Padel)のコートへ。
今回が人生初プレイだったが、想像以上にハマった。
試合後はお気に入りのPutumadeで牛タンとダックに舌鼓を打ち、Dandelionでネイルケアしてリフレッシュ。
仕事の出張でも、週末は Play Harderで過ごす、そんな過ごし方がしっくりきている。
土日2日間、パデル(Padel)漬けの週末

これまで何度か誘われていたもののタイミングが合わず、今回が初めてのパデル。テニス、スカッシュ、バドミントン、卓球とラケット・パドル系はひと通りやってきたので、ラケットを握る感覚そのものは体に染みついている。「きっとすぐ慣れるだろう」という予感は正しかった。
ルールはシンプルで、壁を使う独特のゲーム性が面白い。気づけば、ただプレーしているだけで自然と会話が生まれ、場の空気が出来上がっていく。

今週末は友人のKevin Mintaragaをはじめとするジャカルタの起業家仲間たちと、土曜・日曜の2日連続でコートに立った。2日間プレイして確信した、知り合いの起業家に遭遇する人数がとても多い。パデルはジャカルタのビジネスコミュニティにとって、今後欠かせないスポーツになると。
Kevinとの付き合いは、実は2012年まで遡る。共通の知人を通じての紹介で東京で初めて会ったのがきっかけだ。それからジャカルタに行けば会い、Kevinが東京に来日すれば会う、という関係が10年以上続いてきた。何か大きな約束があったわけでもない。ただ「会おう」という意思を双方が持ち続けただけなのに、気づいたら長く仲良い友人関係になってました。
その積み重ねが、昨年ついに新しい形になった。ベクトルからKevinの会社へ出資させていただくことになったのだ。長い時間をかけてじっくりと育ててきた信頼関係がビジネスとして結実した瞬間は、やはり格別だった。そのKevinから今回パデルに誘ってもらい、彼のコミュニティにも入れてもらった。コートの上で汗をかきながら、2012年の東京での初対面からここまでの時間の厚みをあらためて感じた。コミュニティは一夜にして作れるものではない。一つひとつの「また会おう」が、気づいたら誰にも壊せない関係になっている。
パデルとはどんなスポーツか

パデルは1969年にメキシコで生まれた。エンリケ・コルクエラというメキシコ人が、スカッシュコートを改造してガラスの壁を設置し、テニスの要素を組み合わせたのが起源だ。その後スペインとアルゼンチンに伝わり、特にスペインではサッカーに次ぐ第2のスポーツとして定着。現在は世界で2,500万人以上がプレイしているといわれる。
東南アジアにもここ5年ほどで確実に波が来ており、インドネシアはその波をまさに受けているところだ。ジャカルタを中心に新しいコートが次々とオープンしており、プレイヤー人口は年々倍増中。なんといつも泊まるホテルか徒歩10分圏内だけで、この1年間にコートが10個以上もできた。それほどの勢いだ。
人気ゆえの課題もある。コートの予約が取れない。週末の人気コートは数日前には満員になってしまう。そこに目をつけた友人たちが次々とコートへの投資に動いている。「ゴルフコースに投資する」感覚でパデルコートのオーナーになる起業家が増えているのだ。いかにもジャカルタらしい動きで、供給が増えることでプレイヤーがさらに増え、コミュニティが広がっていく好循環が生まれている。
ラケット(パラ)の独自性 — Padel racket

パデルを初めて見た人が必ず驚くのが、このラケットだ。ストリング(ガット)がない。パデルのラケット(「パラ / pala」と呼ぶ)はカーボンファイバーやグラスファイバーでできた固体のパドルで、面には小さな穴が無数に空いている。この穴が空気抵抗を減らし、スピンのコントロールを助ける。卓球のラケットに近い構造とも言えるが、弾力のあるサーフェスとコントロール感覚はまた別物だ。今回使ったHeadのOne Ultra Lightは軽くて振り抜きやすく、初心者にも扱いやすかった。
試合の仕組み — How to play Padel
パデル ルール早わかり / Padel Rules Quick Guide
コート (Court):テニスに似た形で約3分の2サイズ(20m×10m)。四方をガラス壁と金属フェンスで囲まれており、壁もプレイに使える。
人数 (Players):必ず4人でダブルス(Doubles only)。この「ダブルス必須」という設計が、スポーツとしての社交性を生み出している。
スコア (Scoring):テニスと同じ。15・30・40・ゲーム・セット・マッチ。テニス経験者なら即理解できる。
サーブ (Serve):腰より下から打つアンダーアームサーブのみ。テニスより圧倒的に簡単で、初心者でもすぐにラリーに入れる。
壁の活用 (Wall play):ボールが床で1バウンド後、ガラス壁に当たったボールをプレイに使える。スカッシュ経験者にはなじみのある感覚。
難易度 (Difficulty):テニス・スカッシュより間口が広く、初心者でも数ラリーのうちに楽しさが感じられる。ゴルフより時間もコストもかからない。
ゴルフより人脈が作れる — Padel as networking
ジャカルタのビジネスコミュニティでパデルが急速に広まった理由として、「ゴルフの代替」という側面がある。ゴルフは最低4〜5時間かかり、料金も高く、実力差が大きいためミックスグループには向きにくい。テニスは上達までの道のりが長く、スカッシュは関節への負担が大きい。パデルはその「ちょうどいいところ」にいる。
そして何より、ダブルス必須という設計が最高だ。4人が常に同じコートにいて、ポイントごとに自然に会話が生まれる。コートを出た後もその話が続く。1セッション90分の中で、普通のミーティングより深い会話が生まれることが多い。
試合後のヤシの実は必須 — Coconut water after Padel

ジャカルタの湿度の中で2時間パデルをやると、全身びしょ濡れになる。ここで絶対に飲んでほしいのが生のヤシの実(Coconut water)だ。ナトリウム、カリウム、マグネシウムといった電解質が天然で含まれていて、スポーツドリンクとは別次元の回復感がある。試合後に4人でヤシの実を飲みながら過ごすこの時間が、実は一番濃い時間だったりする。
Putumadeで牛タンとクリスピーダック

Putumadeとの出会いは2019年。Kevinが「美味しいお店が近場にあるよ」と連れてきてくれた時のことを、今でもはっきりと覚えている。インドネシア料理をモダンに昇華させながらも、食材そのものの力が生きている。気取らず、でも妥協しない。そういうレストランだと最初から感じた。それから何度ジャカルタに来ても、このお店だけは必ず立ち寄る場所になった。
牛タンは、東京で大好物として食べているそれとはスタイルと少し違う。Putumadeの牛タンは厚切りで、バナナの葉の上に重なるように盛りつけられてくる。添えられているのは粗塩と、赤く鮮やかなサンバル。このサンバルが絶品で、ジャカルタのスパイスの熱がタンの旨味をぐっと引き出す。東京の牛タンとどちらが好きかと聞かれると、答えに困る。それぞれに別の良さがあって、比べるものではない。ただ確かなのは、このお皿が来るたびに「ジャカルタに来てよかった」と思うということだ。


そしてクリスピーダック。黄金色に輝く衣をまとった一羽が、バナナの葉の上にどかんと置かれてくる。箸を入れた瞬間に響く、あのパリという音。外側はまるでキャラメリゼしたかのような薄い飴層のような食感で、中は驚くほどしっとりと柔らかい。アヒルの脂の甘みが口の中でゆっくりと広がり、添えられたサンバルの辛みがその余韻を締めてくれる。パデルで全身を使って動かした後の空腹の胃に、これほど報われる一皿がある。消費したカロリーを軽く超えて取り戻したことは言うまでもないが、このダックに関してはカロリー計算を完全に放棄した。食べ終えた後、しばらくテーブルに沈黙が生まれるほど、みんなが満足していた。
週末は身だしなみも整える — Dandelionでネイルケア

パデルで体を動かし、美味しいものを食べた後は、自分自身のメンテナンスも欠かさない。Dandelionでネイルケアを済ませました。
以前のブログにも書きましたが、名刺より先に見られているのは指先かもしれない。起業家やビジネスパーソンが集まるジャカルタでは、細部の印象が意外と大きい。パデルのラケットをしっかり握って汗をかいた後だからこそ、手を整えることが気持ちいい。スポーツ後のネイルケアは、精神的にもいいリセットになる。

まとめ — ジャカルタの週末はこう過ごす

出張中の週末だからといって、MTGをこなしてホテルの部屋でメールを返すだけで終わらせるのはもったいない。パデルでコミュニティに飛び込んで、起業家仲間と汗をかく。Putumadeで旨いものを食べながら近況報告をする。Dandelionで細部を整えて気持ちをリセットする。これがジャカルタ滞在中の理想の週末。
インドネシアのパデル(Padel Indonesia)競技人口は現在推計15,000〜30,000人と言われており、東南アジアで最も急成長中のマーケットのひとつだ。いつも泊まるホテルから徒歩10分圏内だけで1年間にコートが10個以上できたという事実が、その熱量をよく表している。
テニス、スカッシュ、バドミントン、卓球のどれかひとつでも経験があれば、パデルはすぐに楽しめる。全くの未経験でもサーブが簡単なおかげで数ラリーのうちに笑顔になれる。ゴルフより短い時間で、より多くの人と深くつながれる。試合後のヤシの実とPutumadeが待っている。ジャカルタの週末に、パデルは完全に欠かせない存在になりました!