
3週間にわたる海外出張の序盤。2〜3日おきに都市を移動しながら、1日に5〜7件のアポイント、イベント参加、そして夜は会食。いつもなら週末はホテルにこもって、日本の業務をキャッチアップするのが定番だけれど、今回はちょうどゴールデンウィークの始まり。国内は比較的静かで、珍しく週末に余白が生まれた。
慌ただしくも充実した日々ではあったけれど、そろそろ「会議室」以外の場所で、少し呼吸を整えたくなっていたところだった。そんなタイミングで、長年の友人でもある2人の大臣に連絡をしてみると、「ちょうど週末は地元に戻っている」とのこと。行き先はペナン島(Penang Island)。
毎日激務をこなしている2人だからこそ、このタイミングが合ったのは偶然ではなく、何かの流れだったのかもしれない。運命を感じて、真っ先にフライトを一本追加。シンガポールからは約1.5時間。今回が3度目のペナン訪問となった。1回目は大臣の結婚式、2回目はマレーシア政府後援のWCIT2022で登壇、そして今回。

金曜日の遅い時間に到着したにも関わらず、マレーシア・ペナン州政府のインフラ・交通・デジタル担当州務大臣(EXCO)及びタンジョン・ブンガ選挙区の州議会議員(MLA)であるZairil Khir Johari(ザイリル・キール・ジョハリ)がホテルからピックアップしてくれ、音楽が盛んな夕食スポットに案内してくれました。ペナンは、活気ある音楽と文化が融合した街で、地元の美味しい料理を楽しみながら、深夜まで賑やかな雰囲気を味わうことができました。
初めてZairilと会ったのは、スイスで開催された第40回セント・ガレン・シンポジウム(St. Gallen Symposium)の「Leaders of Tomorrow」の会で、気づけば15年来の友人になっていました。彼は非常にダイナミックで、人々を引きつける魅力を持っており、その後も何度も交流を重ねてきました。彼の結婚式では、当時の青少年・スポーツ副大臣Stevenの後に新郎側としてスピーチを担当しました。スピーチの内容は事前に新郎新婦からの指示でいくつかのエピソードについてNGを受けていたものの、結婚式の会場で二人が焦るようなジョークを言ったことで、思わず会場が爆笑となり、楽しい瞬間となりました。

土曜日は、Zairilの友人であり、彼の結婚式では私の前にスピーチを行った、マレーシア政府の人的資源大臣(国務大臣)Steven Sim Chee Keong(スティーヴン・シム)氏が、カフェまで迎えに来てくれました。
1982年生まれのSteven氏は、若手ながら複数の政府ポジションを歴任しており、現在は人的資源省(日本の厚生労働省に相当)を率いる現職大臣です。若者政策や労働、教育、社会保障の分野で改革を進める注目の政治家として知られています。

この日はSP(セキュリティ)と秘書官が同行していたにもかかわらず、「せっかくだからペナンのローカルを味わってほしい」と徒歩で案内してくれたのが、Penang Road Famous Teochew Chendul(ペナン・ロード・フェイマス・潮州チェンドル)。1936年創業、ペナン島・ジョージタウン中心部にある老舗屋台で、観光客と地元民の両方に長年愛されている名店でチェンドルが食べれます。

屋台に着くと、Steven氏を見つけた多くの人が次々に記念撮影を求めており、ペナンで国会議員として10年以上支持されてきた理由を肌で感じました。さらに、ペナン島の名物「オー・チェン(Oh Chien)」は、牡蠣と卵を炒めた中華風オムレツも注文してくれました。

Steven氏にとって、このオー・チェンは子供の頃、お金をセーブするために自宅から卵を持参し、屋台で作ってもらうと少し安く食べられた思い出の一品と紹介され、今回は完全にプライベートな時間で、政治の話よりも、昔話や冗談を交えて1時間半ほど笑い続ける和やかな時間となり、久々に会えた喜びを共有できた貴重なひとときでした。

何度もフライトを利用していますが、今回の海外出張の始まりとなる日本発の上海行きのフライトは初めて「未定(Indefinite)」と掲示板に遅延表示を見て、出発時にどうなるのか少し不安で先が思いやられました。また、シンガポール行きも遅延し、トラブル続きでしたが、ペナン島で満喫できたのと、現地の起業家やジャカルタの起業家に紹介されたこともあり(結局ペナン島で仕事をしていましたが)、明日はシンガポールに戻り、改めて仕事に集中しようと思います!