フットサルのプレー中に前十字靭帯(ACL)を損傷し、再建手術を受けたのは約1年半前、2012年8月のことでした。そして今週、再建箇所を固定していたボルトを除去する再手術を受け、無事に成功しました。
前十字靭帯の再建手術では、膝の内側にある膝屈筋腱(ハムストリング腱)の一部を採取し、膝の骨にトンネル状の穴を開け、靭帯の代わりとなるよう束ねて移植します。その移植腱を骨に固定するためにチタン製のボルトを使用していました。今回は、その固定用ボルトの除去と、再建靭帯の経過観察を目的に、全身麻酔下で関節鏡(内視鏡)を用いた手術を行いました。
再度入院し、2回もメスを入れられるのは正直避けたい気持ちもあり、ボルトを抜かないという選択肢もありました。しかし、体内に異物が残ることへの抵抗感があったこと、そして再建した靭帯の状態を直接確認できるというメリットを考え、再手術を決断しました。
ボルトを長期間固定したままにしておくと、周囲の骨が徐々に覆い始め、癒着が進む可能性があります。そのため、除去するのであれば術後1年程度が望ましいとされています。ただ、昨年8月は多忙だったため、結果的に1年半後のこのタイミングでの手術となりました。
今回の主治医も前回同様、福島一雅先生にお願いしました。米国ピッツバーグ大学整形外科スポーツ医学センターの客員研究員を務め、オリンピックナショナルチームや東京ヴェルディのチームドクターを歴任されている、スポーツ整形外科分野の第一人者です。
手術は、福島先生が執刀されている世田谷下田総合病院にて実施。前回同様、PCやWi-Fiルーターを持ち込み、入院中も仕事ができる体制を整えました。
入院スケジュールは、手術前日の14:00に入院。
レントゲンなどの検査、手術部位の剃毛、点滴用の針の挿入などの準備を行いました。
夕食を済ませた後、翌日の全身麻酔手術に備え、0:00以降は水分を含む飲食が禁止となりました。
手術当日は6:00起床。検温後、朝から点滴を開始し、10:30には抗生物質の点滴を行いました。
手術は予定通り11:00から全身麻酔で開始し、約1時間で終了。
手術室で麻酔をかけられ、次に気が付いたときには病室のベッドの上。酸素マスクを装着していました。午後までは麻酔の影響で意識がぼんやりしていましたが、徐々に回復し、18:00頃から水分と食事の摂取が可能になりました。
写真は摘出したチタン製ボルト。1年以上お世話になったボルトなので、記念に福島先生からいただきました。ネックレスにでもしようかと本気で考えています(笑)。
前回の再建手術と比べると、腫れも痛みも軽度で、夜間も我慢できる程度でした。
多少の熱感はありますが、アイシングで対応しています。
手術翌日はトレーナーに脚の状態を確認してもらい、2泊3日の短期入院で退院。退院後は自力で歩いて帰宅することができました。今後は数日安静にし、その後、福島先生のライズシティクリニックで経過観察を行い、約2週間後に抜糸予定です。
今回の入院・手術費用は約10万円弱でした。
写真に写っているのが再建された靭帯です。
術中に引っ張って確認しても、緩みはなく、しっかり機能しているとのことでした。
手術とは、医師に命を預ける行為です。今回も実績と経験が豊富で、心から信頼できる福島先生に執刀していただけたことを、本当にありがたく思っています。
そして、手術室・病棟で支えてくださった看護師の皆さま、麻酔科の先生、リハビリや検査に関わってくださったスタッフの皆さまにも心より感謝申し上げます。多くの方々の連携と支えがあってこそ、安心して手術に臨み、無事に退院することができました。
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■ どのように損傷するのか?
ACL損傷の多くは接触プレーではなく、非接触型で発生します。
よくある受傷パターン:
- 急な方向転換(カッティング動作)
- ジャンプの着地失敗
- 急停止からの切り返し
- 膝が内側に入った状態での着地
受傷時には「ブチッ」という音や感覚を伴うことも多く、その後すぐに膝が腫れて体重をかけられなくなるケースが典型的です。
■ 症状
- 膝の腫れ(関節内出血)
- 膝の不安定感(ガクッと抜ける感覚)
- スポーツ復帰が困難
- 階段や方向転換時の恐怖感
特にスポーツを行う方にとっては「膝が信頼できない」状態になります。
■ 治療法
治療は大きく分けて2つあります。
① 保存療法(手術なし)
- 筋力強化
- リハビリ
- サポーター使用
日常生活レベルであれば可能な場合もありますが、スポーツ復帰を目指す場合は再建手術が一般的です。
② 再建手術
切れた靭帯は自然にくっつくことはほぼありません。そのため、自分の腱(ハムストリング腱や膝蓋腱など)を用いて新たに靭帯を作り直します。
手術後は:
- 6か月〜9か月で軽い競技復帰
- 9か月〜1年で本格復帰
が一般的な目安です。
■ なぜボルトを使うのか?
再建した腱を骨に固定するため、チタンや吸収性素材のボルトを使用します。
骨と移植腱がしっかり癒合するまで固定する役割を担います。
場合によっては、一定期間後に除去することもあります。
■ ACL損傷の怖さ
ACL損傷は「治る」怪我ではなく、再建して、長期リハビリで取り戻す怪我です。
また、損傷後は:
- 半月板損傷のリスク増加
- 将来的な変形性膝関節症のリスク上昇
といった長期的な影響もあります。
■ しかし、復帰は可能
近年は医療技術やリハビリの進歩により、トップアスリートも競技復帰しています。
大切なのは:
- 適切な医師の診断
- 正しい手術
- 計画的なリハビリ
- 焦らない復帰判断
ACL損傷は「治る怪我」ではなく、「再建し、取り戻していく怪我」です。焦らず、しかし確実に積み重ねること。そして、信頼できる医師と二人三脚で進むことが何より大切だと、私は実感しています。大きな怪我ではありますが、正しい治療と努力を続ければ、以前より強い身体をつくることも可能です。





