シリーズO2O第1回:一般化してきたリアルへの誘導、注目サービス3選

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最近O2O(オンライン・トゥ・オフライン)というキーワードを今まで以上に耳にするようになりました。いわゆるネットリテラシーが高いと言われている層以外にも浸透してきているようです。O2Oとは、簡単にいうとオンラインからオフラインへの行動を促す施策や仕組みのことで、例えば個々の消費者の趣味や興味、購入履歴等の情報から属性や行動パターンを分析し、対象となるユーザーのニーズを絞り込んだ上でオンライン(インターネット端末)を介して商品情報やクーポン情報などをレコメンドし、オフライン(リアル店舗)への誘導を促進する事などを言います。効果測定もしやすいと言われており、O2Oを使ったマーケティング施策に取り組む企業も増えてきていて、一般化のフェイズに入ってきたな、と感じています。

O2Oを実施するには、会員のデータベース、ビジネスインテリジェンス、レコメンドエンジン、ビッグデータの処理エンジン、ポイントシステム、配信システム等、様々な技術が必要になりますが、これらの技術や条件が全てがそろえば、かなり理想に近い形でネットとリアルの隙間を埋める事ができるのではないでしょうか。

次に、このように盛り上がりを見せているO2Oビジネスの領域で僕が注目しているサービスをご紹介します。

チケット・クーポンサービスのmoggy
http://moggyinc.com/service/

moggy

最初は「moggy」これはクーポンやチケットが利用される際、利用するユーザーの位置情報等を同時に取得して入場管理をしたり、有効期限や位置情報などの情報を管理することで使われずに埋もれがちなチケット、クーポンの利用を促進したりすることができるアプリです。ユーザー視点に立ってみても、必ず携帯するスマートフォンのアプリであるためチケットを忘れる/なくす、ということが防げますし、ウェブやメールなど様々なルートで取得した複数の企業・店舗のクーポンやイベントのチケットを一元管理することができるため、大変利便性の高いサービスです。スマートフォン上でも、“もぎる”という行動が体験でき、とてもユニークで面白いと思います。昨年の11月には株式会社インタースペースから資金調達を行い、大手企業への導入やテック系イベントへの出展など積極的に展開しており、今後の更なる普及に期待しています。

来店ポイントサービスのスマポ
http://www.smapo.jp

Smapo

次は、お店に行って特定の場所でアプリを起動しチェックインするとポイントがもらえるサービス、「スマポ」です。去年楽天が買収したことで話題になったのでご存知の方も多いかもしれません。来店検知の技術に超音波を使用しており、GPSで測定する位置情報では不十分な部分を補うことで測定される情報の精度を高めています。店舗側の活用方法次第では、例えば特定の階などの限定的な場所に限りポイントを配布する、などと言ったことも可能になります。既にParco、ビックカメラ、マツモトキヨシなどの大手小売業が採用していますが、今後楽天との連携を図ることで楽天ポイントの経済圏に入ったり、楽天市場の店舗と連携したりすることがあればO2Oのリーディングカンパニーになり得るのではと思います。

モバイルウォレットサービスのO:der
https://www.showcase-gig.com/service/mobilepayment/

Oder

最後は、O2Oのさらに上位概念的なオムニチャネルマーケティングサービス「O:der」です。オムニチャネルはO2Oに加え、さらにオフライン(実店舗)とオンライン(EC)などのユーザー接点(チャネル)を統合し顧客管理や在庫状況の把握、配送ルートの整備などを行うことで、新しい買い物スタイルを提供する手法です。このアプリは、オンライン(スマートフォンアプリ)で事前に店舗を選定し、商品の予約・注文と一部は事前決済までが完結できるサービス。つい先日の資金調達のニュースを拝見して、早速使ってみました。

Curry Freak

今回は246COMMONに入っている移動型屋台「カリフリ」さんで事前注文を行いました。

Oder Curry Freak Ordering

上記のように、アプリから店舗を選び→オーダーする商品を決めて→予約時間に店舗に行き、QRコードを店舗にある端末で読み込んでもらうと商品を受け取る事ができるという大変シンプルなサービスです。今回利用させていただいたカリフリさんは事前決済に対応してなかったため現金払いでしたが、他の店舗だと一部クレジットカードによる事前決済も可能なようです。

まだスタートしたばかりのサービスなので、商品の予約、事前決済などができる店舗は限られていますが、表参道界隈では選択肢も多く、ポイントカード機能も兼ねているので個人的には大変魅力を感じています。今後活用頻度が上がりそうなサービスです。

他にも投資先のKolor、AppleのiBeacon、shopkickなど様々なO2Oソリューションが出回っていて、リアル店舗とユーザー、どちらの面を抑えた会社が勝つか、見所です。さらに大きなビッグデータと統合した次の波及系サービスも登場するのではないでしょうか。

次回はO2Oシリーズ第二弾として加熱するタクシー業界に関して書きたいと思っています。ご期待ください。

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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