前十字靭帯(ACL)再建手術から7年6ヶ月経過、よくある質問と回答

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前十字靭帯再建手術から7年6ヶ月経過の脚。手術痕もかなりきれいになりました

前十字靭帯(ACL)再建手術について継続的にブログを書いてきたところ、本当に多くのご質問を頂くようになりました。同じ怪我で悩まれている方や、ご家族・パートナーの方からのご相談も多く、少しでも参考になればと思い、これまでに実際に頂いたご質問と、私が回答した事例の一部をQ&A形式でまとめました。

また、以前ご紹介した手術痕も、上記写真の通り、7年6ヶ月が経過し、ほとんど目立たない状態まで回復しています。

Q:靭帯損傷について調べていて、このブログにたどり着きました。彼がスノーボード中に、
・内側側副靭帯断裂
・前十字靭帯断裂
・外側側副靭帯損傷
・膝の骨挫傷(骨内出血、髄液が漏れているとの診断)
と診断されました。

私は大きな怪我をしたことがなく、痛みや精神的な辛さがどの程度のものなのか、本人の立場で理解してあげることができません。今後もスノーボードを続けたいと言っており、手術になる可能性が高いと思います。
(今週、大きな病院で再度診断を受ける予定なので、診断結果が変わる可能性もあるとのことです。)

彼はかなり無理をするタイプで、痛みがあっても無理なリハビリをしたり、来シーズンにはスノーボードを再開してしまうのではないかと心配しています。

今、そして今後、私にできることはありますでしょうか?また、手術から復帰までにあたり、何かアドバイスがあれば教えていただきたいです。

A:受傷直後であれば、手術までは通常1〜2ヶ月程度かかります。
膝の腫れや炎症が落ち着いてからでないと手術ができないためです。

その後のリハビリは最低でも6ヶ月、競技レベルへの本格復帰は9〜12ヶ月が一つの目安になります。無理をするタイプであれば、リハビリ専属トレーナーを付けるなど、第三者の管理があると安心です。

ご家族やパートナーにできることは:
・通院の付き添い
・松葉杖生活のサポート
・精神面のケア

ACL損傷は身体的なダメージも大きいですが、「もう元に戻れないのではないか」という精神的ショックが非常に大きい怪我です。そばで支えてあげることが何より大切だと思います。

経済的な余裕がどの程度あるか分かりませんが、リハビリ時に電気刺激機器などを併用すると、筋肉がほぐれやすくなり、回復をサポートしてくれる場合があります。私自身が使用していたのは、福島先生が開発に関わられた電気刺激機器「Rise Tron(ライズトロン)」です。筋肉の深部までアプローチできるため、術後の硬さや張りの改善に役立ちました。また、リハビリの専属トレーナーを付ける場合は基本的に実費になりますが、私の場合はトレーナーによる負荷管理と機器を併用することで、より効果的に回復を促すことができたと感じています。

もちろん個人差がありますので、導入を検討される際は必ず主治医と相談のうえ判断されることをおすすめします。

ACL再建では、
・人工靭帯
・自家腱移植(自分の腱を使用する再建手術)

を選択できる場合がありますが、個人的には自家腱(足の腱)を使用する方法をおすすめします。自分の組織を使う方が長期的な安定性や身体への適応という点で安心感があります。

もしセカンドオピニオンを検討されるのであれば、私の主治医に相談されるのも一つの選択肢です。

福島一雅先生
米国ピッツバーグ大学整形外科スポーツ医学センター客員研究員を務め、オリンピックナショナルチームやプロスポーツチームのチームドクターも歴任されている、スポーツ整形外科の第一人者です。

現在はライズシティクリニック http://www.risecity.org で診療されています。予約時に「梅澤のブログを見た」と伝えれば、スムーズにご案内いただけると思います。

何か情報(症状の有無、症状の期間、改善方法など)をお持ちでしたら、お知らせいただけると幸いです。

① 膝の「ポキッ」という音について
椅子に30分以上座っていたり、長時間立っていた後に階段を下りると、膝蓋腱付近が屈曲する際にスムーズに動かない感じがあります。膝蓋腱がうまく伸び縮みしていないような感覚です。
そして膝蓋腱の裏あたりが「ポキッ」と鳴ります。若干ですが痛みもあります。ただ、一度ポキッと鳴ると、その後はスムーズに動きます。

② 膝裏の強張り(痛み)について
同じ姿勢を長く続けた時や、運動した翌日に、腱を採取した膝裏部分に強張りや痛みがあります。
特に屈伸運動(スクワットなど)で負荷をかけた状態で膝を90度以上曲げた際に、膝裏に痛みを感じます。

以前、執刀医や理学療法士からは、
①については「膝蓋腱が硬いことによる症状」、
②については「採取した腱がまだ十分に再生していないことによる症状」と説明を受けました。

①②を改善すべく、術後3ヶ月頃まで行っていたマッサージやストレッチを再開し、少しずつではありますが改善傾向にあるようにも感じています。

A:①について
私も完全に同じではありませんが、歩行中に違和感があり、その後ポキッと鳴って違和感が消えることがあります。頻度は2〜3ヶ月に1回程度です。

多くの場合、
・膝蓋腱の硬さ
・関節内の滑走不良
が原因と言われています。

②について
腱採取部位の張りは長期的に残ることがあります。特に負荷をかけた深い屈曲(スクワット90度以上)で違和感が出ることは珍しくありません。ストレッチやマッサージの再開は有効なケースもありますが、症状の程度によって異なるため、必ず主治医に相談してください。

私が経験した中では、ライズシティクリニックでは福島先生が開発に関わった電気刺激機器を使用した施術も行っています(※保険適用外)。筋肉の緊張緩和や血流改善を目的としたもので、僕自身もリハビリ期に実際に使用しました。機械と専属トレーナーによるリハビリを併用したことで、筋肉がほぐれやすくなり、回復を後押ししてくれたと感じています。あくまで僕が経験した範囲での話ですが、経済的な余裕があれば、選択肢の一つとして検討してみてもよいかもしれません。

前十字靭帯損傷(ACL)に関する他の過去投稿はこちらから。もし質問等ございましたらお気軽にご連絡下さい!

前十字靭帯損傷(ACL)とは?
前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節の中心にある重要な靭帯の一つです。

役割は主に次の2つです:
脛骨(すねの骨)が前にズレるのを防ぐ
膝の回旋(ひねり)動作を安定させる

ジャンプの着地、急な方向転換、ストップ動作など、スポーツ動作において特に重要な働きを担っています。

■ どのように損傷するのか?

ACL損傷の多くは接触プレーではなく、非接触型で発生します。
よくある受傷パターン:

  • 急な方向転換(カッティング動作)
  • ジャンプの着地失敗
  • 急停止からの切り返し
  • 膝が内側に入った状態での着地

受傷時には「ブチッ」という音や感覚を伴うことも多く、その後すぐに膝が腫れて体重をかけられなくなるケースが典型的です。


■ 症状

  • 膝の腫れ(関節内出血)
  • 膝の不安定感(ガクッと抜ける感覚)
  • スポーツ復帰が困難
  • 階段や方向転換時の恐怖感

特にスポーツを行う方にとっては「膝が信頼できない」状態になります。


■ 治療法

治療は大きく分けて2つあります。

① 保存療法(手術なし)

  • 筋力強化
  • リハビリ
  • サポーター使用

日常生活レベルであれば可能な場合もありますが、スポーツ復帰を目指す場合は再建手術が一般的です。

② 再建手術

切れた靭帯は自然にくっつくことはほぼありません。そのため、自分の腱(ハムストリング腱や膝蓋腱など)を用いて新たに靭帯を作り直します。

手術後は:

  • 6か月〜9か月で軽い競技復帰
  • 9か月〜1年で本格復帰

が一般的な目安です。


■ なぜボルトを使うのか?

再建した腱を骨に固定するため、チタンや吸収性素材のボルトを使用します。
骨と移植腱がしっかり癒合するまで固定する役割を担います。
場合によっては、一定期間後に除去することもあります。


■ ACL損傷の怖さ

ACL損傷は「治る」怪我ではなく、再建して、長期リハビリで取り戻す怪我です。

また、損傷後は:

  • 半月板損傷のリスク増加
  • 将来的な変形性膝関節症のリスク上昇

といった長期的な影響もあります。


■ しかし、復帰は可能

近年は医療技術やリハビリの進歩により、トップアスリートも競技復帰しています。

大切なのは:

  • 適切な医師の診断
  • 正しい手術
  • 計画的なリハビリ
  • 焦らない復帰判断

ACL損傷は「治る怪我」ではなく、「再建し、取り戻していく怪我」です。焦らず、しかし確実に積み重ねること。そして、信頼できる医師と二人三脚で進むことが何より大切だと、私は実感しています。大きな怪我ではありますが、正しい治療と努力を続ければ、以前より強い身体をつくることも可能です。

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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