韓国スタートアップの日本進出最前線!昼は日本市場と戦略を学び、夜は投資家と交流する濃密な一日

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今週、500 Globalとベクトルは、韓国スタートアップの日本市場参入を本気で支援する「1 Dayクロスボーダーイベント」を共同開催しました。昼に日本市場の理解を深め、夜に日本投資家とつながる。学びとアクションを1日で完結できる実践型のマーケットエントリーイベントとして、日本での成長を加速する一歩を踏み出して頂きました。

昼のセッション:日本市場を攻略せよ、最前線の知がここに集結!

韓国スタートアップが日本で事業を本格稼働させるには、正確な市場理解、カルチャー適応、そして信頼できるパートナーシップが不可欠です。昼のセッションでは、日本の政府支援機関、事業会社、VC、採用支援まで、日本市場の“入口”を押さえるキープレイヤーが集結。彼らから語られたのは、表面的な情報ではなく、成功と失敗のリアル、そして明日から日本でビジネスを動かすための具体的知見。まさに、韓国スタートアップの日本参入に必要な“学びのすべて”が凝縮された時間となりました。

基調講演 : 日本のスタートアップエコシステムと政府の取り組み

経済産業省(中小企業基盤整備機構)創業・ベンチャー支援部長、石井芳明氏

今回のイベントの幕開けを飾ったのは、石井氏による基調講演。日本はこれまで保守的・慎重と評価されることが多かった市場ですが、いま大きな転換期を迎えています。

石井氏からは、政府が推進するスタートアップ育成施策、そして海外企業が日本へ参入する際に活用できる支援プログラムまで、非常に実践的な内容が共有されました。

特に印象的だったのは、ディープテック領域の台頭。大学・研究機関から生まれる先端技術スタートアップが急成長しており、かつては日本から生まれにくいと言われていたイノベーションが、今は確実に成果として表れ始めています。

「日本市場には大きなチャンスがある。政府も全力で支援する体制が整いつつある」

まさに日本市場参入を狙う韓国スタートアップにとって強い後押しになりました。

Special Talk : ベクトルの紹介

株式会社ベクトル 共同創業者、長谷川 創

続く基調講演では、長谷川よりベクトルの紹介と日韓市場への取り組みが語られました。

ベクトルは、日本国内トップクラスのPR企業でありながら、PR、広告、インフルエンサー、デジタルマーケティング・DX支援人材、投資、まで幅広く展開し、企業成長をマルチに支援してきた実績を持っています。

「日韓が強みを掛け合わせれば、もっと大きな挑戦ができる」

というメッセージを韓国語で直接参加者へ発信。日本市場に挑む韓国スタートアップにとって、本イベントがネットワーキングの場となり、投資家・事業会社との接点になり、そして成長加速のきっかけになることを強く願っていると語りました。

日韓の共創が生む可能性を示し、会場の熱気をさらに引き上げるスピーチとなりました。

Insight Session:日本市場参入のリアルと戦略PRの力

株式会社ベクトル 海外戦略本部 兼 海外M&A本部 本部長、梅澤 亮

海外スタートアップが日本市場で成功するための“現場知”と戦略PRの実践的活用法を語りました。

日本市場は大きな魅力を持つ一方、独自の商習慣・文化・意思決定プロセスが参入ハードルとして立ちはだかります。
そこで重要になるのが、

「日本で“正しく理解”され、“信頼”を積み上げ、関係者の意思決定の裏側に効く“レピュテーション”を形成するための戦略PR」

目に見える成果だけでなく、継続的な関係構築・レピュテーション形成が、意思決定の“裏側”を動かす鍵だと強調。

さらに今までのキャリアから、海外企業の日本進出を牽引した実例を紹介:

  • タクシー配車アプリ HAILO
  • バケーションレンタル HomeAway
  • マッチングアプリ Tinder

起業、投資、事業責任者という立場で積み重ねた実践知をもとに、日本市場を「動かす」ためのアプローチを参加者へ共有しました。海外スタートアップにとって、“日本進出は難しい”ではなく、“戦略次第で勝ち筋は必ずある”ことです。

パネルディスカッション① : 日本で勝つための資金調達戦略

パネル登壇:
電通ベンチャーズ シニアマネージャー、若松 征剛氏
Egg FORWARD ベンチャーキャピタリスト、小島 潤氏

海外スタートアップにとって、日本での資金調達は大きなチャンスである一方、文化・意思決定プロセス・市場理解不足が壁として立ちはだかります。

セッションでは、国内投資の最前線に立つ両氏が、日本の投資家が本当に見ているものを実例と共に明確に提示しました。

ディスカッションで示された主要ポイント

① 日本市場へのフィットが最優先指標
単なる海外での実績ではなく、「なぜ日本なのか?」の明確な答えが問われる。

② 信頼の積み上げが投資の前提条件
短期成果よりも、継続的なリレーション構築が評価に直結する。

③ レピュテーション形成が意思決定の裏側を動かす
導入事例、パートナー企業、第三者評価、外部証明が信用を押し上げる。

④ 投資家との接点づくりは“早期&継続”が必須
タイミングではなく“関係値”が投資検討につながる。

「日本市場へ本気でコミットしているか。投資家はその姿勢を見ている」

資金調達は資金獲得の手段ではなく、日本市場での成長を加速させる信頼の証。海外から参入する韓国スタートアップが日本の投資家に選ばれる存在へと変わるための実践知が凝縮されたセッションとなりました。

パネルディスカッション② : スタートアップのグローバル人材採用

パネル登壇:
株式会社ソレクティブ 代表取締役、岩井 エリカ氏

日本進出時、海外スタートアップが直面する最大の壁。それが優秀なローカル人材の確保です。

日本は高度人材が多い一方、採用競争が激しく、特に外国発スタートアップは「信用」「認知」の不足により応募すら集まらない現実があります。

セッションでは、グローバル人材採用を支援する立場から、課題の本質と 突破すべき優先順位が提示されました。

ディスカッションで示された主要ポイント

① ミッションとビジョンが採用の入口になる
「何のために日本へ来たのか」が明確でなければ選ばれない。

② 最初の採用は“ローカルで戦える右腕”を確保せよ
市場理解+事業推進ができる人材が日本成功の初動を決める。

③ 正社員に固執せず、フリーランス活用を選択肢に
初期は柔軟性を最大化して、最速で市場適応せよ。

④ レピュテーション形成が採用母集団を広げる
事例・メディア露出・コミュニティで信頼を積み上げる。

「日本で採用できれば、日本市場で勝てる勝率は一気に上がる」

採用はコストではなく、日本で事業を成功させる最重要投資

海外スタートアップが、市場参入を加速させる“チーム”をどう作るか具体解に踏み込んだ非常に実践的なセッションとなりました。

夜のセッション:投資家と直結、事業成長を現実に動かす夜

夜は、昼に得た知見を“行動”へ転換するアクションの場。 韓国スタートアップが日本の投資家とダイレクトに出会い、資金調達や事業連携の具体的な一歩を踏み出す機会となりました。 意思決定者との対話や5分間ピッチを通じ、信頼を築きながらビジネスをリアルに動かす交流が展開。 日本市場での成長に直結する濃密な時間となりました。

基調講演 : 日本市場の投資トレンド

SBIインベストメント株式会社 執行役員 丸山 絋治氏

夜のセッション牽引したのは、丸山氏による基調講演。日本のスタートアップ投資市場は、今まさに進化の真っ只中にあります。最新の投資トレンド、そして海外スタートアップが日本で資金調達する際に知るべき “本質” が共有されました。

特に注目すべきは、ここ数年で大きく伸びている領域。特に注目すべきは、AI、DeepTech、Fintech、そしてグローバル展開前提の事業には資金が集まり、IPO環境も改善が進むなど、投資家にとっても「勝てる市場」へと変化しています。

特に日本の投資家は「確実なトラクション」と「信頼性」を強く重視する文化。数字による成長性と、信頼性・社会的信用(レピュテーション) の両立こそが、投資検討を前へ進める鍵です。そのため、透明性あるコミュニケーションと継続的な関係構築が、日本市場攻略の鍵となります。

また、SBI Investment自体もアジアおよびグローバル投資を加速しており、海外スタートアップへの積極姿勢を鮮明にしています。

「海外スタートアップにとって、日本は挑戦する価値がある市場だ」

韓国スタートアップにとって、日本進出はもはや「遠い話」ではなく、投資獲得と成長のチャンスが目の前にあることを実感できた時間となりました。

スタートアップピッチセッション:500 Globalの投資先で選ばれた韓国スタートアップが日本投資家へ挑む

基調講演の後は、500 Globalの投資先企業による5分間ピッチセッション

登壇した韓国スタートアップは、リテールDX、ライフスタイル、ヘルスケア、BtoB SaaS など多彩な領域から参加。各社が自社の強みと日本市場への挑戦意欲を、短い時間の中で熱量を込めてプレゼンしました。

投資家からの質問も活発で、日本での事業展開戦略、既存の実績、顧客獲得モデルなどが深掘りされ、実際の投資検討が動き出すきっかけとなるセッションとなりました。

ネットワーキングセッション:寿司ビュッフェと共に生まれる新たな連携

ピッチ後は、90名以上の応募から承認制で厳選された、日本の投資家・関係者30名とのネットワーキングへ。韓国スタートアップと、日本のエコシステムを支える多様なプレイヤーが一堂に会しました。

参加者:
• 政府 / 公共セクター
• VC / CVC
• エンジェル投資家
• メディア
• 事業会社
• NPO
• スタートアップ
• 大学
と、まさにクロスセクター・クロスボーダーな顔ぶれ。

会場には寿司職人を招き、立食形式の寿司ビュッフェを提供。リラックスした雰囲気の中で、資本提携、事業連携、日本市場参入のパートナー探しが活発に進みました。国境や業種を超えたコラボレーションが次々と芽生え、韓国スタートアップにとって、日本進出の一歩を“実際に踏み出す場”となりました。

本イベントでは、基調講演・パネルディスカッションを通じて、日本市場で勝つための実践知が共有され、韓国スタートアップが確かな一歩を踏み出す機会となりました。ピッチとネットワーキングでは、日本の投資家や事業会社とのリアルな対話が生まれ、具体的な連携や投資検討につながる場として大きな成果を残しました。今回の学びを象徴するメッセージはひとつ。日本市場で成功するには「正しい理解」と「信頼の積み上げ」が不可欠だということ。そのプロセスを支える環境は、すでに整いつつあります。

ベクトルでは今後も、海外スタートアップの日本市場進出を加速するパートナーとして、イベント共同主催やマーケットエントリー支援など、国境を越えた挑戦を力強く後押しいたします。

イベント共同主催パートナーは随時募集中です、ぜひお気軽にご相談下さい!

500 Global(旧 500 Startups)は、シリコンバレー初のベンチャーキャピタル / アクセラレーターで、シードステージへの投資に注力しています。これまで、3,000社以上の企業へ投資し、35社超のユニコーン企業を育成してきました。運用資産残高は23億USDを超え、投資先企業の企業評価価値の合計は3,000億USD以上に上ります。

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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