睡眠・回復・パフォーマンスをデータ化、最新トレンドのヘルストラッカーWhoopを試す

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最近の出張や日常生活で、健康管理の重要性を以前より強く感じるようになりました。特に、睡眠や回復、パフォーマンスを定量的に把握できるヘルストラッカーは、アスリートだけでなく、ビジネスパーソンにとっても必須アイテムになりつつあります。

2015年にApple Watchが発売されたときに購入して試していました。しかし、すぐに手放してしまい、その後は時計すらつけなくなり、腕に何かを着けることに抵抗を感じていました。

ところが最近、Spotify元日本代表のHannes Grahが使って便利さを教えてくれたお財布を真似するように、今回も本人が使って便利さを教えてくれたWhoop 4.0を試すことになりました。日本では販売されていないため、海外で購入されたバージョンをプレゼントしてもらいました。

さらに、オムロン上腕式血圧計HEM-7600Tも頂き、既に持っていたオムロン体重体組成計カラダスキャンHBF-255Tと組み合わせることで、iPhoneのヘルスケアアプリで一括管理・分析できる環境が整いました。

現在、使い始めてまだ1週間ですが、すでに心拍数(Heart Rate)や睡眠・活動量のデータをリアルタイムで確認でき、毎日の行動と体調の関係を把握することができています。

Whoop 4.0の特徴と強み

  • 24時間連続計測:睡眠・回復・運動負荷・心拍数を数値化
  • 自動活動検出:睡眠、昼寝、歩行、ランニング、スイミングなどを自動で記録
  • 睡眠推奨時間表示:必要な睡眠時間を算出し、毎日の目安として表示
  • 軽量・柔軟な装着感:長時間装着しても違和感が少なく、充電中も外さず装着可能
  • 専用充電器:磁力で簡単に接続でき、ケーブルに引っ張られて外れる心配もなし
  • 夜間ログ入力:夜食、アルコール摂取、Work From Home(在宅勤務)などを記録し、AIが体調変化に反映
  • ストレス計測:精神的負荷も数値化され、経営者やハードスケジュールの方に最適
  • サブスクリプション制:本体は無料でも、月額約3,300〜4,000円でアプリ連携・データ分析を利用可能

Apple Watchとの比較

  • データの深さ
    Apple Watchは心拍数や歩数など基本的な情報中心。Whoop 4.0は睡眠の質、回復スコア、運動負荷、心拍数、ストレスまで測定可能。疲労や回復の状態も数値化され、過密スケジュールでの体調管理に最適です。
  • 装着感と充電
    Apple Watchは長時間の睡眠計測では充電のため外す必要があります。
    Whoop 4.0は軽量バンドで装着感良好、充電中も外さず測定可能。専用の磁力式充電器で、就寝中でも簡単に接続できます。
  • 出張活用(未来編)
    実際の出張ではまだ使えていませんが、疲労の可視化が楽しみです。朝起きると前日の活動状況のログを入力し、AIに学習させることで、今日の体調や疲労度に合わせて予定を調整できます。「今日は早めに休もう」など、数字をベースに行動判断できるのは、経営者に特に便利です。

Whoopで広がる体調管理の可能性

  • 30日間で分かること
    使い始めの30日で、睡眠・回復・ストレス・心拍の自分固有の傾向が可視化。
    夜の行動ログ(夜食/お酒/在宅勤務 など)と体調の相関をAIが学習し、「どの習慣がパフォーマンスを落とすか」が浮き彫りになります。
  • 日々の楽しみ方
    毎朝データを見て、推奨睡眠時間ストレスレベルを参考に予定を微調整。
    「今日は早めに休む」「午前は軽めの打ち合わせにする」など、数字ベースの判断が習慣化します。計測が“管理”で終わらず、最適化のゲームになる感覚。
  • 将来の利用イメージ
    蓄積データが進むと、誰と会った日はストレスが上がりやすい/この都市は疲れやすいなどのパターンまで可視化され、移動・面談・会食の設計にまで踏み込んだ提案が可能に。
    健康データと行動計画が統合され、体調を維持しながら成果を最大化する“行動設計ツール”へ。

自動検出された睡眠や昼寝を可視化。睡眠の深さや昼寝の時間も記録され、日々の疲労の傾向を一目で把握できます。

睡眠、歩行、スイミングを自動で検出したグラフ。活動量や消費カロリーを表示し、さらに睡眠推奨時間も示されるため、休息や運動の計画を立てやすくなっています。

ストレスモニター、負荷(Strain)、回復(Recovery)のログ。経営者や出張が多い方に便利で、数字を基に今日の活動量や休息を調整する参考になります。

Red Ocean市場の中でのポジション

ウェアラブルデバイス市場はすでにAppleやSamsungなどのビッグプレイヤーがしのぎを削るRed Oceanです。
Apple Watchのように多機能化が進む一方で、「装着の負担」や「通知過多」に疲れを感じる層も増えています。

Whoopは、“健康意識が高くない人でも”自然にログを残したくなるゲーミフィケーション設計で差別化。たとえば夜のログ入力では、「夜食を食べたか」「お酒を飲んだか」「在宅勤務だったか」などを選ぶだけで、AIが体調との相関を学習してくれます。健康管理が義務ではなく、ゲームのように楽しくなる体験設計が秀逸です。

睡眠・健康データを支える政策と市場背景

実は、こうした流れは個人の意識変化だけではありません。
日本政府の「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針)」では、健康・睡眠・PHR(パーソナルヘルスレコード)に関する施策が国家レベルで推進されています。

  • 睡眠対策の推進:睡眠時無呼吸症候群や不眠対策を強化
  • PHRとの連携:ウェアラブルデバイスなどのライフログを医療・介護と連動
  • 健康経営の推進:従業員の睡眠・活動データを活用したパフォーマンス向上
  • 業種別健康対策:特に運送業などでの睡眠呼吸障害対策を重点的に実施

さらに、世界のスリープテック・睡眠関連市場は約72兆円規模に拡大しており、日本国内でも睡眠関連市場は約100億円、睡眠時無呼吸関連市場は約400億円と成長が見込まれています。

こうした社会的背景の中で、Whoopのようなデバイスは「個人の健康管理」を超え、国家的テーマである“睡眠の質の可視化”を支えるインフラ的存在になりつつあります。

将来の利用イメージとまとめ

Whoopの本質は「計測」ではなく「学習」です。
使い続けるほどAIが自分のリズムを理解し、「誰と会うとストレスが上がる」「どの都市を訪れると疲労が溜まりやすい」といった傾向を可視化します。

将来的には、これらのデータがスケジュール設計や出張計画、面談戦略にまで反映され、健康データと行動計画が統合された“体調ベースの行動設計”が可能になるでしょう。体調を維持しながら成果を最大化する“行動最適化ツール”として進化していく未来が期待されます。

Whoop 4.0は、睡眠・回復・運動・心拍・ストレスを数値化し、AIによって行動計画の参考にできるヘルストラッカーです。軽量で装着感が良く、充電中も測定を継続できるため、24時間の体調変化を途切れず記録できます。夜間ログを入力することで、日々の体調管理や過密スケジュールの最適化にも役立ちます。

Apple Watchが「ライフスタイルを拡張するデバイス」だとすれば、Whoopは「ライフスタイルを理解し、最適化するデバイス」。

ウェアラブル市場が成熟する中でも、Whoopのように“無理なく・楽しく・続けられる健康習慣”をデザインするプロダクトはまだ希少です。出張や多忙な日常の中で、数字を通して自分を理解し、成果と体調を両立させる新しい習慣づくりが始まっています。

Whoopとは?
Whoop(フープ)は、睡眠・回復・運動負荷・心拍・ストレスを定量化できるウェアラブルデバイスです。アメリカ・ボストンに拠点を置くWhoop社が開発しており、トップアスリートや経営者を中心に幅広く利用されています。

24時間連続計測:心拍数、心拍変動、皮膚温度、加速度などを組み合わせて解析
回復スコア算出:前日の活動量や睡眠をもとに身体の回復度を数値化
ストレイン(負荷)スコア:運動や日常活動による身体への負荷を可視化
AIによる推奨アクション:睡眠時間や運動負荷の調整など、個別にアドバイス
クラウド連携:長期データを蓄積し、傾向を分析して健康管理に活用可能

Whoop社は、データに基づくパフォーマンス最適化を理念としており、Apple Watchなどの一般的なスマートウォッチと異なり、回復・疲労・ストレス管理に特化しているのが特徴です。

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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