フットサル中に前十字靭帯(ACL)を損傷し、再建手術を受けてから約9ヶ月半が経過しました。
今回は、競技復帰目前のリアルな状態をまとめます。
現在は月1回、ライズシティクリニックで検診およびリハビリを継続中。それ以外はほぼ通常生活に復帰しています。
・早歩き
・軽いランニング
・階段の1段飛ばし
といった動作も可能になりました。ただし、「できる」と「完全に戻った」は別物。ここが9ヶ月時点の大きなポイントです。
現在の膝の状態
上の写真は、移植したハムストリング腱を固定しているボルトをエコーで確認している様子です。使用機器は、日立メディコの「HI VISION Preirus」。
ボルトの存在は、今では日常生活でほぼ気になりません。ただし今年8月以降に抜釘(ボルト除去)手術を予定しています。それまでに筋力を最大限戻しておくことが重要です。
太ももの筋力差という現実
見た目にも分かるほど、右脚(手術側)の大腿部はまだ細いです。
ACL再建後は、
・大腿四頭筋の抑制(arthrogenic muscle inhibition)
・ハムストリングの筋出力低下
が起こりやすく、完全回復には時間がかかります。
一般的に:
- 3〜6ヶ月 → 日常生活ほぼ復帰
- 6〜9ヶ月 → 軽度スポーツ動作
- 9〜12ヶ月 → 本格競技復帰目安
と言われていますが、筋力左右差10%未満が一つの基準になります。私はまだ課題が残っています。
電気刺激療法の併用
今回のリハビリでは、
・専属トレーナーによる筋力トレーニング
・福島先生が開発に関わった電気刺激機器(保険適用外)
を併用しています。
筋肉の緊張緩和と神経再教育を目的としたアプローチで、個人的には回復スピード向上を実感しています。ACL再建は「手術の成功=ゴール」ではありません。リハビリの質が結果を決めると本当に感じます。
ACL再建9ヶ月の壁とは?
この時期は一見ほぼ治ったように感じます。
しかし実際には:
・筋持久力不足
・瞬発力の左右差
・心理的不安(再受傷恐怖)
が残ることが多いです。特に再受傷は術後1年以内が多いという報告もあり、焦りは禁物です。ACL損傷は「治る怪我」ではなく、「再建し、取り戻していく怪我」です。焦らず、しかし確実に積み重ねること。そして、信頼できる医師と二人三脚で進むことが何より重要です。正しい治療と努力によって、以前より強い身体を作ることも可能です。今後も引き続き、リハビリと経過観察を続けながら、少しずつ体力と膝の安定性を取り戻していきたいと思います。
前十字靭帯損傷(ACL)とは?
前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節の中心にある重要な靭帯の一つです。
役割は主に次の2つです:
・脛骨(すねの骨)が前にズレるのを防ぐ
・膝の回旋(ひねり)動作を安定させる
ジャンプの着地、急な方向転換、ストップ動作など、スポーツ動作において特に重要な働きを担っています。
■ どのように損傷するのか?
ACL損傷の多くは接触プレーではなく、非接触型で発生します。
よくある受傷パターン:
- 急な方向転換(カッティング動作)
- ジャンプの着地失敗
- 急停止からの切り返し
- 膝が内側に入った状態での着地
受傷時には「ブチッ」という音や感覚を伴うことも多く、その後すぐに膝が腫れて体重をかけられなくなるケースが典型的です。
■ 症状
- 膝の腫れ(関節内出血)
- 膝の不安定感(ガクッと抜ける感覚)
- スポーツ復帰が困難
- 階段や方向転換時の恐怖感
特にスポーツを行う方にとっては「膝が信頼できない」状態になります。
■ 治療法
治療は大きく分けて2つあります。
① 保存療法(手術なし)
- 筋力強化
- リハビリ
- サポーター使用
日常生活レベルであれば可能な場合もありますが、スポーツ復帰を目指す場合は再建手術が一般的です。
② 再建手術
切れた靭帯は自然にくっつくことはほぼありません。そのため、自分の腱(ハムストリング腱や膝蓋腱など)を用いて新たに靭帯を作り直します。
手術後は:
- 6か月〜9か月で軽い競技復帰
- 9か月〜1年で本格復帰
が一般的な目安です。
■ なぜボルトを使うのか?
再建した腱を骨に固定するため、チタンや吸収性素材のボルトを使用します。
骨と移植腱がしっかり癒合するまで固定する役割を担います。
場合によっては、一定期間後に除去することもあります。
■ ACL損傷の怖さ
ACL損傷は「治る」怪我ではなく、再建して、長期リハビリで取り戻す怪我です。
また、損傷後は:
- 半月板損傷のリスク増加
- 将来的な変形性膝関節症のリスク上昇
といった長期的な影響もあります。
■ しかし、復帰は可能
近年は医療技術やリハビリの進歩により、トップアスリートも競技復帰しています。
大切なのは:
- 適切な医師の診断
- 正しい手術
- 計画的なリハビリ
- 焦らない復帰判断
ACL損傷は「治る怪我」ではなく、「再建し、取り戻していく怪我」です。焦らず、しかし確実に積み重ねること。そして、信頼できる医師と二人三脚で進むことが何より大切だと、私は実感しています。大きな怪我ではありますが、正しい治療と努力を続ければ、以前より強い身体をつくることも可能です。