世界経済フォーラム(World Economic Forum:通称ダボス会議)グローバルシェイパーズコミュニティ(Global Shapers Community)の日本代表(U-33)として、Summer Davos in Asia, Annual Meeting of the New Champions 2013(サマーダボス会議)に2年連続で参加させていただきました。世界のグローバルシェイパーズコミュニティのネットワークは256 支部、2,671名までに拡大しており、そのうち参加選出枠は62名ということで、貴重な機会を頂き大変光栄です。開催は今年の9月だったので少し前のイベントにはなりますが、去年に続き大変刺激的な時間を過ごすことができましたので内容を少しレポートしたいと思います。
最近知ったのですが、グローバルシェイパーズはスポンサーの尽力により旅費を含む参加費は無料で参加させて頂いているのですが、その他、企業やYoung Global Leaderを代表して参加される方々は数百万円の年会費や、会議参加にかかる諸費用を負担した上で参加されているとのこと。参加のチャンスを頂けたことに改めて感謝しました。
世界経済フォーラムは年に2回開催されていますが、通称ダボス会議と呼ばれる所以である、スイスのダボスで冬季に開催される本会議は政治寄り、中国で夏季に開催される総会は経済寄りの内容になっています。今回のテーマは「Meeting the Innovation Imperative」、世界中の政治、経済、学術等の分野で活躍する著名人が集まり、各分野の革新的な取り組みや商品、今後のInnovationのあるべき姿、また起業家の発掘やその支援方法等についてセッションや議論が繰り広げられました。開催地の中国の大連では、この会議のために大規模な会場を新設するなど、万全の受け入れ態勢が敷かれておりダボス会議にかける意気込みを感じました。
前回のようにセッションをホストすることはありませんでしたが、個人出資しているインタレストマーケティング社のプロダクト「Kolor」をInnovate!に応募したところ多数のInnovativeプロダクトから見事選出され、ブースをもらってプロダクトを紹介することができました。
Kolorはソーシャルメディア上の影響力や、興味関心(インタレスト)等からセグメントしたターゲットにプロモーション情報を配信できるサービスです。そのサービスモデルやO2Oへの展開などについて中国のメディアからも大変注目いただき、現地のテレビ局2社からのインタビューにもお答えしました。
Innovateで他には知人のJane Chenさんの「Embrace」も選出されていました。こちらは寝袋型の保育器で、保育器等の十分な設備がない発展途上国で低体温症対策を行うために開発された器具です。Embraceは一定の温度で状態変化する「相変化物質」で、状態の変化に合わせて熱を吸収したり、逆に熱を放出したりするといった性質を持っています。この物質をお湯に溶かすと一定の温度を4〜6 時間保つことができ、寝袋のポケットに挿入することで赤ちゃんの保育器として機能することができます。また、再加熱すると繰り返し利用できるので、資源やコストの負担を削減することも可能です。
ダボス会議では、様々なトークセッションに加えジャズ演奏等の特別セッションも数多く開かれます。こういった特別セッションに参加できる参加者はダボス会議の運営メンバーのリクルーティングによって選定されるので、会議の公式ガイドには載ってないものも多数あります。前回参加時に運営メンバーとディスカッションをして僕のことを理解してもらえたこともあり、専門分野であるentreprenerurshipがテーマのフィンランド首相の特別セッションに参加することが出来ました。ダボス会議に日本の現職大臣が参加するのは今回が初となりましたが(下村博文文部科学大臣と山本一太内閣府特命担当大臣が参加)別の特別セッションでは下村博文文部科学大臣と日本の起業環境や今後の教育に関して、大臣と議論する時間を頂くこともできました。
ダボス会議は、世界経済や政治に議論する場であり、参加者の交流プラットフォームでもあります。参加者1人1人がそれぞれ大変ユニークで、毎回、Innovationを起こそうとしている活気をすごく感じます。皆さんアクション志向が強く、スタートが立ち話だったとしても、そこから具体的なアクションを起こし、様々なプロジェクトがこのプラットフォームから立ち上がっています。僕も、ダボス会議で色々なご縁を頂いて本当に感謝しています。
世界経済フォーラムは1971年から実に40年にわたって世界中のリーダーを一堂に集め、世界的課題の解決に取り組んでいます。先日、その功績をたたえられ、会議の創設者であるスイスの経済学者、クラウス・シュワブ博士が日本で叙勲を受章されました。日本人でも大臣経験者しか対象にならない旭日大綬章という名誉ある受賞で、博士による「政、財、学、官を結びつけ、世界的課題への解決を探る地道な努力と実績」が評価されてのことだそうです。この叙勲を記念した祝賀パーティーも開催され、日本の現職大臣など、政財界から参加された多くの方々と共に博士の叙勲をお祝いしました。パーティーに合わせて来日された博士は「世界的な課題に政治家、経済人、学者、ジャーナリストなど全員の力を合わせて取組み解決する時代です」と語っておられ、僕もその一員として参加することに改めて身が引き締まる思いでした。上の写真はパーティーでお会いしたフェンシングの太田雄貴選手(グローバルシェイパーズ東京ハブメンバー)と株式会社アトレの後藤将さん(グローバルシェイパーズ大阪ハブメンバー)。後藤さんが太田さんのファンだとの事で記念撮影させていただきました。
グローバルシェイパーズ任期中、ダボス会議への参加は原則1回のところ、2回も参加の機会を頂いたので次回は流石に難しいと思いますが、また来年も是非参加したいと思っています。限られた人が集まる会議ですが、大変有意義な時間が過ごせますので、招待を受け取った方は是非参加してみて下さい!
*世界経済フォーラム(ダボス会議)とは…
ビジネス界、政界、学界および社会におけるその他のリーダーと連携し世界情勢の改善に取り組む国際機関です。1971 年にスイスのジュ ネーブに本部を置く非営利財団として設立された世界経済フォーラムは、いずれの利害関係にも関与しない独立・公正な組織です。あらゆ る主要国際機関と緊密に連携して活動しています。
Global Shapersとは…
世界経済フォーラムによって任命される、33 歳以下の若者によるコミュニティです。優れた潜在能力、また実績を持ち、社会に貢献する 強い気概を持つ人々によって構成され、コミュニティのメンバーはシェイパーと呼ばれます。地域における社会課題を解決するプロジェク トなどを行うことを目的とし、全世界 400 以上の拠点で 4,000 名以上のシェイパーが活動しています。
*グローバルシェイパーズコミュニティ東京ハブプロジェクト
第1弾:Shapers Camp 2014
第2弾:Re-Generate Japan
第3弾:はたらくママのための育児タクシー