ビッグデータ

シリーズO2O第2回:加熱するタクシー業界の「滴滴快的」

前回のO2Oブログ投稿から1年以上経ってしまいましたが…苦笑 2015年のバレンタインデーにスマートフォンタクシー配車サービスで中国最大手、アリババ(Alibaba)が出資する「快的打車」(クァイディダーチャ、浙江省)と、騰訊控股(Tencent)が出資する業界2位「滴滴打車」(ディディダーチャ、北京市)が合併。両社の名前を一つに合体させた「滴滴快的(ディディ・クアイディ)」社が誕生した。新会社の企業価値は60億ドル(約7,200億円)とも言われて、中国の360都市で展開して1万人のドライバー登録に対して1日約600万配車。(uberが世界合計で1日100万配車)両社はタクシードライバーが配車を受けることに対して補助金、ユーザーにはタクシー代が割引になるクーポンを配布して多額のプロモーション費用を掛けてきたが合併することにより、海外展開の加速や新サービス提供してUberを追随するのでしょう。海外展開の一環として、滴滴快的はライドシェアサービスを提供するLyftに1億ドル(約120億円)を出資して、両社のサービスがどちらのアプリ(アメリカと中国)でも利用できる提携も組みました。更に今月には中国で初となる“Internet Car-Booking License”をShanghai Municipal Transportation Commission(SMTC)で取得したのでグレイと言われたプライベートハイヤーや自家用車ビジネスも展開可能になった。 スマートフォンタクシー配車サービスは契約しているタクシーの位置がGPSを通じてスマートフォンアプリ上に表示され、タクシーに乗りたいユーザーは配車を掛けると最寄りのタクシーが迎えに来ます。更に、予約機能を使えば特定の時間になると指定場所に迎えに来てもらう事が可能です。支払いはスマートフォンに登録したクレジットカードまたは滴滴快的の場合、騰訊控股のWeChatおさいふ機能で支払いができます。メッセージングアプリ、WechatはMAUが5.49億人(LINEの3倍程)、5人に1人がカード登録済み(中国新年でお年玉キャンペーンで81億ドルのマーケティングキャンペーンを実施した効果)なので滴滴快的利用者の多数はWeChatで決済。上記写真の通りWeChat内からもタクシーが呼べるので配車は急上昇中。中国のタクシー配車アプリ市場はこの2年で急拡大、滴滴快的は市場シェアの90を%を抑えている。 先日の中国出張で滴滴打車を使ってみました。行き先を入力して迎えに来てもらうインセンティブをドライバーに出す為にチップを設定(乗車料金の他に20元、およそ40円など設定可能)して配車を掛けると車の距離と何分で到着するかが分かります。お金で解決する人はラッシュアワー時タクシーを見つけにく時は100元などチップ設定して優先的に配車することがあるそうです。更にすごかったのが、タクシーが迎えに来たらなんと他のお客さんを乗せていました…アプリで行き先を事前に入力したのでドライバーはちょうどその方向に行くお客さんを乗せていて迎えに来たので結果なぜか知らない人とタクシーをシェアすることになりました。乗せて頂いたドライバーは途中でもう一人を下ろし、その時のメーター金額を回収してその後私の目的地で再度お金を回収されました。確かに効率は良いけどスマートフォン配車アプリならではの偶然でした…通報すればタクシードライバーは違法行為で捕まるそうです。苦笑 こちらがドライバーアプリです、事前に迎え場所と行き先が表示され、予想金額やチップが表示されて条件が良くないと時はスルーするそうです。タクシーに乗っていると1分に2~3回は鳴り、早い者勝ちなので常にドライバーはアプリを見てました…日本の場合、各社差別化を図るためにドライバーはサービスに力を入れてますが、北京ではタクシー台数が足りないのでドライバーの方が大分強気です。 スマートフォンタクシー配車サービスですが、コンセプトは簡単に見えますが、O2O(オンライン・ツー・オフライン)を成立させるのは簡単な事ではないです。ネット系サービスならではの鶏か卵が先か(今回の場合、ドライバーとユーザー獲得)をバランス良く成長させる必要があります。しかし、マーケティングを正しく効果的に実施すれば、タクシーはDoor-to-Door(ドア・ツー・ドア)サービスの特性を活かして、人々の行動ビッグデータと決済情報を活用すると様々な新しいビジネスが展開可能になると思います。今後は貨物輸送など社会インフラに大化けしていくのでHAILO(ヘイロー)も負けないように頑張ります!

シリーズO2O第1回:一般化してきたリアルへの誘導、注目サービス3選

最近O2O(オンライン・トゥ・オフライン)というキーワードを今まで以上に耳にするようになりました。いわゆるネットリテラシーが高いと言われている層以外にも浸透してきているようです。O2Oとは、簡単にいうとオンラインからオフラインへの行動を促す施策や仕組みのことで、例えば個々の消費者の趣味や興味、購入履歴等の情報から属性や行動パターンを分析し、対象となるユーザーのニーズを絞り込んだ上でオンライン(インターネット端末)を介して商品情報やクーポン情報などをレコメンドし、オフライン(リアル店舗)への誘導を促進する事などを言います。効果測定もしやすいと言われており、O2Oを使ったマーケティング施策に取り組む企業も増えてきていて、一般化のフェイズに入ってきたな、と感じています。 O2Oを実施するには、会員のデータベース、ビジネスインテリジェンス、レコメンドエンジン、ビッグデータの処理エンジン、ポイントシステム、配信システム等、様々な技術が必要になりますが、これらの技術や条件が全てがそろえば、かなり理想に近い形でネットとリアルの隙間を埋める事ができるのではないでしょうか。 次に、このように盛り上がりを見せているO2Oビジネスの領域で僕が注目しているサービスをご紹介します。 チケット・クーポンサービスのmoggy http://moggyinc.com/service/ 最初は「moggy」これはクーポンやチケットが利用される際、利用するユーザーの位置情報等を同時に取得して入場管理をしたり、有効期限や位置情報などの情報を管理することで使われずに埋もれがちなチケット、クーポンの利用を促進したりすることができるアプリです。ユーザー視点に立ってみても、必ず携帯するスマートフォンのアプリであるためチケットを忘れる/なくす、ということが防げますし、ウェブやメールなど様々なルートで取得した複数の企業・店舗のクーポンやイベントのチケットを一元管理することができるため、大変利便性の高いサービスです。スマートフォン上でも、“もぎる”という行動が体験でき、とてもユニークで面白いと思います。昨年の11月には株式会社インタースペースから資金調達を行い、大手企業への導入やテック系イベントへの出展など積極的に展開しており、今後の更なる普及に期待しています。 来店ポイントサービスのスマポ http://www.smapo.jp 次は、お店に行って特定の場所でアプリを起動しチェックインするとポイントがもらえるサービス、「スマポ」です。去年楽天が買収したことで話題になったのでご存知の方も多いかもしれません。来店検知の技術に超音波を使用しており、GPSで測定する位置情報では不十分な部分を補うことで測定される情報の精度を高めています。店舗側の活用方法次第では、例えば特定の階などの限定的な場所に限りポイントを配布する、などと言ったことも可能になります。既にParco、ビックカメラ、マツモトキヨシなどの大手小売業が採用していますが、今後楽天との連携を図ることで楽天ポイントの経済圏に入ったり、楽天市場の店舗と連携したりすることがあればO2Oのリーディングカンパニーになり得るのではと思います。 モバイルウォレットサービスのO:der http://www.showcase-gig.com/app/oder/ 最後は、O2Oのさらに上位概念的なオムニチャネルマーケティングサービス「O:der」です。オムニチャネルはO2Oに加え、さらにオフライン(実店舗)とオンライン(EC)などのユーザー接点(チャネル)を統合し顧客管理や在庫状況の把握、配送ルートの整備などを行うことで、新しい買い物スタイルを提供する手法です。このアプリは、オンライン(スマートフォンアプリ)で事前に店舗を選定し、商品の予約・注文と一部は事前決済までが完結できるサービス。つい先日の資金調達のニュースを拝見して、早速使ってみました。 今回は246COMMONに入っている移動型屋台「カリフリ」さんで事前注文を行いました。 上記のように、アプリから店舗を選び→オーダーする商品を決めて→予約時間に店舗に行き、QRコードを店舗にある端末で読み込んでもらうと商品を受け取る事ができるという大変シンプルなサービスです。今回利用させていただいたカリフリさんは事前決済に対応してなかったため現金払いでしたが、他の店舗だと一部クレジットカードによる事前決済も可能なようです。 まだスタートしたばかりのサービスなので、商品の予約、事前決済などができる店舗は限られていますが、表参道界隈では選択肢も多く、ポイントカード機能も兼ねているので個人的には大変魅力を感じています。今後活用頻度が上がりそうなサービスです。 他にも投資先のKolor、AppleのiBeacon、shopkickなど様々なO2Oソリューションが出回っていて、リアル店舗とユーザー、どちらの面を抑えた会社が勝つか、見所です。さらに大きなビッグデータと統合した次の波及系サービスも登場するのではないでしょうか。 次回はO2Oシリーズ第二弾として加熱するタクシー業界に関して書きたいと思っています。ご期待ください。