小林 清剛さんが主催した「スタートアップの資金調達のこれから」イベントレポート

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先週株式会社ノボットの代表取締役社長、小林 清剛さんが主催した「スタートアップの資金調達のこれから」イベントに参加してきました。イベントはSamurai Startup Islandで開催されまして、50名程が集まってました。残念ながら予定があり途中でイベントを出てしまいましたが…下記がイベントのメモです。

最初はデンノー株式会社の代表取締役、梅田茂利さんが「米国での資金調達体験談」についてお話しました。

投資家はチームにこだわるので、プロフェッショナルなチーム作りの重要性
・チームの経験値による潜在性、Fundamentalの確認
・優秀な技術チーム
・事業側の経営陣の役割は、マーケットの定量面分析。value chain, landscape, value propositionを明確化、コンセプトやビジネスモデルへの自負

EOP(Employee Option Pool)の重要性
・給料のみだと柔軟な採用活動や優秀な人を誘う際に魅力が欠ける場合があるのでEOPを用意
*日本では15%のEOPがシードでは平均的だが、デンノー株式会社は25%の株を発行、ストックオプションで技術系の人材を確保
*日本の場合アメリカと違って、後から入ってくるまたは誘う予定の人の分のEOPを確保しておくのが大変
*優秀な人が入ってくる前提としては、スタートアップが成長路線に入ってないとですが…
 ・EOPは一緒に働いている人がハッピーになる為の会社作りに役立つ
・Vestingによる期間コミットメントの導入
*例えば4年間のターム付きVestsingの場合、1年働くと1/4の権利取得、その後は1ヶ月毎に0.○○%で渡される、行使はストックオプションが配布された当時の価格

Seed ~ Series Aに向けて
・ベンチャーキャピタルから資金調達する為に必須なのはPOC(Proof of Concept)や定量面データ
・PL(Profit – loss)やCap Tableの作り方の勉強
・Startupに使えるFinancingを学ぶこと(e.g. convertible note, Liquidation Preference, Common stock, preferred stock)
次にMOVIDA JAPAN株式会社のSeed Acceleration事業統括、伊藤健吾さんが「 シリコンバレーにおけるベンチャー投資の常識」についてお話しました。

マイルストーン型投資
・事業に必要となる総資金を段階に分けて投資する
・不確実性を減らし、valuationを高めて段階的に資金投入する

Lead Investor
・投資ラウンドにおいて最大の金額を投資する投資家
・最終的な黒字化まで継続投資する
・取締役として経営に参画し、ハンズオンの育成を行う

優先株(Preferred STock)による投資
・普通株(Common Stock)は経営陣など創業メンバー
・Stock optionは普通株(優先株との値差分インセンティブ)
・配当、資産分配、議決権などをシリーズごとに変える

主なpreferenceについて
Dividends(優先配当)
・通常配当しないのでさほど重要ではない
・普通株より優先して配当を受け取る
・蓄積型/参加型

Liquidation Preference(優先残余財産分配)
・会社売却や解散時の財産分配を定める
・M&A重要になる
・1株あたりいくら優先して分配するか?
・参加型

Anti-Dilution(希薄化防止)
・ラチェット条項
・加重平均法

Convertibel Noteとは?
・一定の条件を満たすと株式に転換される社債
-満期日が設定される(通常は12ヶ月~18ヶ月程度)
・Qualified Financing(一定の条件)
-次回の増資ラウンドで調達する金額を設定する
・Conversion Price(次のいずれか安い方)
– Valuation Cap
次回ラウンド後での持ち分比較を決める仕組み
– Dicount rate
次回ラウンドの株価に大して割引率を決める
・メリット
– 次回増資ラウンドまでvaluationを固定しない
– 諸条件が事業価値を高めるためのインセンティブになる

質問タイムでのディスカッション:
アメリカでビジネスを展開してアメリカのベンチャーキャピタルから投資を受けたい場合、アメリカで登記するべきかどうか?

梅田茂利さん:日本のベンチャーキャピタルから投資を受けて、アメリカのベンチャーキャピタルに投資ピッチをすると以前の投資契約が日本語だと断られるケースが多くある。アメリカでビジネス展開する際はアメリカで登記をしてファイナンスする事をオススメ。

伊藤健吾さん:本質は良いサービスを作って、世界中の人に使われれば資金調達もできる。資金調達後でも”reorganize”すれば解決する。例えばAngry Birdsを作ったRovio Entertainmentの場合、フィンランドで資金調達を当初しているがアメリカでも資金調達ができている。成功が全てなので、成功すればクリアできる問題。

佐俣アンリさん:日本でビジネスをするのとアメリカでするのでは違う、日本で会社を作ったあとだとカオスになる可能性がある。

伊藤健吾さんによると資金調達等の勉強は「 ベンチャー投資の実務―発掘、選別から回収まで 」の本がオススメ。

以前ジェイ・シード株式会社が主催した第1回「Venture Generationセミナー」Femto Startup ゼネラルパートナー 磯崎哲也さんのブログ投稿も参考になります。

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この記事を書いた人

ryoのアバター ryo 何でも屋

10年間にわたるフィリピン滞在を経て、上智大学・比較文化学部を卒業。学生時代から様々な事業の立ち上げに携わり、サラリーマン、起業、国内+外資系企業社長、取締役、顧問、株主などをスタートアップ及び上場企業で経験。

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